ネット配信するおじさんの覚書き

現在tricaster460のあるスタジオで機器をごにょごにょしたりしなかったり。使用経験のある機器としてはSD~HD、ミキサーならアナログからデジタルまで、専門性がある程度の素人なのでまともな理論や正確さはちょっと勘弁してほしい

Liveshell(cerevo)→UltraStudioExpress(blackmagicdesign(BMD) )→macbookpro(apple)で接続する場合の注意点

弊社(https://schoo.jp/)の配信では、

かつてはUSTさんを配信インフラとして主力に据えて配信していたのですが、現在niconicoでもYouTubeでもなく、弊社専用の配信鯖を利用しています。

 

で、tricaster460などの高度な機器を中心として配信するスタジオ配信とは別に、機動力を活かしたlivewedgeを中心とした機材構成を組んで、いくつかのイベントや配信に行っています。

 

で、この配信にて、

カメラやらPC入力のコンバータ

→SW:Liveshell(cerevo)

→キャプチャ:UltraStudioExpress(blackmagicdesign(BMD) )

→macbookpro(apple)

→FMLE

という構成で配信される方や、こんな感じでやりたい方もいらっしゃるかと思いまして、一応この構成上の注意点を下記に。

 

livewedgeは1080iの出力非対応

LiveWedge仕様 - Cerevo http://livewedge.cerevo.com/ja/spec.html

をご覧いただくとわかるんですが、

出力解像度が480/59.94p, 576/50p, 720/59.94p, 720/50p, 1080/59.94p, 1080/50p

となっており、UltraStudioExpressのユースケースとして一般的であろう、

1080iは非対応となっています。

UltraStudioExpressは1080pが読めないので、きれいにすれ違う格好ですね。
現行の仕組みからすると、720pでフレームレートを色々すると一番マシになるかと。

 

エンコードを始めてから気付きがちなfpsのずれ

SW含めて大体のものをBMDで揃えてる配信クラスタの各位は、60fpsないし59.94fpsで入力した信号を30fpsくらいで出したりすると思うのですが、720/50pなどの信号を受けてから30fpsで取り込んだ場合、エンコード(配信)前には特に問題がないように表示されます。

が、当然取り込みのフレームレートがずれてくるので、実際エンコードするとエラーも出てきます。

ただただ映像が荒れる、という程度ならまだマシで、しっかり配信も停止してくれるので使い物にならないという問題があります。

入力解像度的に60フレみたいな値で書き出すのはどうなんだ、という問題はありつつも、そこは揃えて配信していきましょう。


なんかダメだったわー、というのがあったら教えてください。
運が良ければソリューション考えるので、FMLEの設定がわかるスクショも添えてでひとつ

ネット配信に使いでがありそうな、安全確実ないし安価で効果の高いコンバータ/分配器類

予算の関係でコンバータが買えない、などの場合、それなりに安い機材で必要な機能を要求される場合があります。

 

そういう時の選択肢として、下記いかがでしょうか

1:SDI→HDMIコンバータ

プレゼン発表などを配信したい、という要求がある場合、例えばグラスバレーのG1などを用いるとRGB/DVI/HDMIと、複数の映像進行を解像度のアスペクト比を変えずに(※1)特定のフレームレートや解像度に成形できるため、安全確実に発表資料を映像ソースにすることができます。

※1 解像度のアスペクト比を変えずに
PCやモニタは画面の縦と横のサイズ(アスペクト比)がまちまちですが、ネット配信に使用する機器は、この縦と横のサイズを既定のサイズに押し込めないと映像を取り込むことができない場合が多いです。コンバータはスケーラーという機能により、この既定サイズに押し込むことができるものがあるのですが、いくつかの機種では、この縦横のサイズを横に伸ばしたり縦に伸ばしたりしてして、無理やりサイズに合わせるというような方法でサイズを合わせています。


ただし、G1コンバータにはHDMI入力をスルーする/HDMI出力端子がないため、プレゼン会場のプロジェクターとネット配信それぞれにPCの映像を使用したい場合には、G1コンバータの手前で映像を分配するか、G1コンバータからの出力をHDMIに変換する必要が出てきます。
とはいえ、すでにG1でそこそこの費用も出しているし、あまり費用を出したくない、という場合に、私は下記の機種を使っています。

そこそこお求めやすい機材ですが、結構安定して動きます。

ただし安さゆえかたまに不良品が混じるようなので、注文後はすみやかに機材の動作確認を行ってください。

 

2:HDMI分配器

HDMIはその性質上、映像の分配、ないしコンバータでの映像変換が困難な場合があります。

まぁ、色々原因はありますが、お守りには向いている分配器が↓

主な用法はamazonのレビューが詳しいです。

また、類似品やパチモノの購入リスクが高い商品のようですので、これもレビューを参考に注意を払ってご購入いただければ幸いです。

もちろん着次第動作確認もお忘れなく

 

まつもとゆきひろさんによるRubyの授業をニコニコで受けてみた感想

みた


 

スライドと先生のPinPはやはり安全パイだし、通例の授業進行としてもほぼこれ一本でやれてしまう。
ただ、やっぱり安パイ過ぎてそれ以外のカット切れなくなるのは明らかに授業がタルくなるのでおすすめしない。PinPに割り当てるカメラを切り替えてごまかしても同じ。

おまけとして反響音ヤバイけど、やはり対応してるのがプロなのでボリュームやらのバランスは美しい

 

これはDやってたときにもやっちゃってたけど、ドワンゴのコンテンツ生成は生&時間間隔がゆるい分、展開がグダる可能性ある。

総合的に見て先行事例と言っていいのであろうスクーをパクってるかんじは結構あるけど、まだ機材やオペレーション含めてこなれてないので頑張って改善して欲しい。

ネット配信したいという方に最初にお伝えすること

ネット配信のご相談を受けるときも、

後輩やスタッフに研修を行う時も、

必ず最初に共有していることがありまして、

下記の図のようなものをご覧いただいたりします。


配信に必要な四つの要素

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この図はニコニコで配信をやってた当時から使っていた考え方を起こしたもので、

ネット配信においてはこの四つのカテゴリそれぞれについて、

PCにたどり着いて入力できるその部分まで、

機器のプランを組めなければ、配信はできない(もしくは強い制約がかかる)

という風に覚えてもらっています。

 

これらが雑だとどうなるの?

例えば、

・「現地に回線あるから」

 という話をそのまま頼ってしまった結果、

 現地にあったのがADSLでどうもこうもならなかった

・機材は組んだけど、電源タップの口数が足りなくなった。

 もしくは電源が届かなかった。

・「ラインで音出るから」って聞いたけど、

 持ってったキャノンメスコネクタと、現地のフォンメスコネクタが合わない

とか、色々と残念な結果になります。

これらを防ぐため配線図を書くわけですが、

その前提として、イメージの参考にしていただければ。

 

使い方

現場入り前に揃える機器の選定や、

それらを用いた機材配線図の作成、

実際に現場で配信機材を組み上げるときまで、

これらをイメージしながら作業すると捗ります。

現場入りから5分で配信開始というような、エクストリーム案件でしたらなおさらに。

 

また、他の企業様から配信のご相談を受けた際も、

これらをクリアにしなければ配信ができない、

いただいた条件では、

この図のカメラからPCまでの配線ルートが取れないので配信が難しい。

ついてはカメラのルートを確保したい。

というように相談しています。

既にネット配信を業としてされている方には何をいまさら感のある知識ですが、

これを共有するところから始めるとコミュニケーションが簡単な場合ありますので、

機会あらばお試しいただけると。